泉のマーケティング解説ブログ
2025年06月
2025.06.04
大阪万博が教えてくれた「近いはすごい」戦略とは?
先日、大阪万博に行ってきました。想像以上に面白く、とても一日では回り切れないスケール感に驚かされました。
人気パビリオンに入れないこともありましたが、「しょうがないね」と笑い合えるような、まさに“体験を楽しむ場”がそこにはありました。
人気パビリオンに入れないこともありましたが、「しょうがないね」と笑い合えるような、まさに“体験を楽しむ場”がそこにはありました。
行って初めてわかったこと――それは、この万博はビジネスとしても「成功する」と確信できたという点です。
その成功のキーワードは「近い人を大切にしている」という設計思想にあります。
その成功のキーワードは「近い人を大切にしている」という設計思想にあります。
「近い人」=何度も来れる人

大阪市内や近郊、いわば“やすく来れる”千万人規模の住民たちが、確実にターゲットになっていました。
コンビニやキッチンカー、お土産など、すべてが“ちょっと来れる人”への利便設計。
まるで「大阪のUSJ化」。実際に、関西弁の中高年女性グループが多く、「また来よう」と話しているのが印象的でした。
コンビニやキッチンカー、お土産など、すべてが“ちょっと来れる人”への利便設計。
まるで「大阪のUSJ化」。実際に、関西弁の中高年女性グループが多く、「また来よう」と話しているのが印象的でした。
広告も「近い人」向け

関東圏では万博の広告をほとんど見ませんでしたが、大阪市内に入ると、JRや地下鉄が広告一色に。
これは明らかに「まず近い人に来てもらう」ことを優先した戦略です。
これは明らかに「まず近い人に来てもらう」ことを優先した戦略です。
このような動きは、まさに“都市型のご近所マーケティング”の成功例です。
距離が近いことで何度も訪れてもらえ、その体験がSNSなどで拡散され、やがて遠方の人も呼び込むという循環が生まれます。
距離が近いことで何度も訪れてもらえ、その体験がSNSなどで拡散され、やがて遠方の人も呼び込むという循環が生まれます。
ご近所マーケティングの本質と重なる
大阪万博が示したのは、地元の人に支持されることで生まれる持続的な来場構造です。
これって、私たちがいつも伝えていることですよね?
これって、私たちがいつも伝えていることですよね?
「ご近所が、いちばんの実績戦略です。」
まとめ
- 人は近いほうが来やすい
- 近い人に何度も来てもらうことで、二次発信と繰り返し購入が起きる
- 高すぎず、安心して買える商品と、価値あるブランドの組み合わせが最強
- 地元の人が“使われる”ことで、その場が体験賞になり、コストも抑えられる
「近い人を大切にする」
この発想を、もっと地に足をつけて実用化すること。 それこそが、私たちのご近所マーケティングなのです。
2025.06.03
ご近所マーケティングの新境地:沖縄ジャングリアを読み解く
2025年7月、沖縄に開業予定の新テーマパーク「ジャングリア」。このプロジェクトの総指揮をとるのは、あのUSJを復活させた森岡毅氏です。
私はこのプロジェクトの成功を信じて疑いません。
私はこのプロジェクトの成功を信じて疑いません。
しかし、ここでは「ご近所マーケティング」の視点から、ジャングリアの戦略を紐解いてみたいと思います。
USJと「近隣×年間パス」モデル

USJで森岡氏が成功させたのは、地元大阪の“ご近所”を年間パスで巻き込む戦略でした。
「ちょっと寄れるUSJ」「何度も行けるリピーター体験」は、まさに都市型のご近所マーケティングです。
「ちょっと寄れるUSJ」「何度も行けるリピーター体験」は、まさに都市型のご近所マーケティングです。
ジャングリアは「地元密着」ではない
一方、ジャングリアは沖縄。地元民向けに「何度も来てね」というモデルにはなりません。
そもそも人口も通勤文化も異なります。
そもそも人口も通勤文化も異なります。
「観光者=一時的なご近所」戦略
むしろ注目すべきは「観光客を、来園の“ご近所”と見なす」発想です。
観光・ダイビング・旅行で訪れる人が、
- 空き時間にもう一カ所
- 子どものためにもう一泊
という“プラスオン”の選択肢としてジャングリアを訪れる。
この設計が、セブン‐イレブンの「既存店舗転換モデル」に似ているのです。
この設計が、セブン‐イレブンの「既存店舗転換モデル」に似ているのです。
那覇から90分は“遠くない”
那覇から90分の距離も、「観光ついで」なら心理的なハードルは低くなります。
「目的地」ではなく「副目的」としての立地戦略。これはマーケティング上の大きなポイントです。
「目的地」ではなく「副目的」としての立地戦略。これはマーケティング上の大きなポイントです。
成功のカギは宿泊施設
このモデルを支えるのが、近隣宿泊施設のホスピタリティです。
- 安心・清潔な部屋
- アクセス案内と送迎体制
- 家族連れ対応
これらが整って初めて、「もう一泊する理由」が成立します。
相乗効果のループへ
- ジャングリアが目的で沖縄観光
- 沖縄観光が目的でジャングリアも
この相互循環こそが、「拠点起点型ご近所マーケティング」の本質です。
まとめ
ジャングリアの戦略は、「近隣住民を呼び込む」USJモデルとは異なり、「観光者を一時的なご近所に見立てる」モデルです。
これは、ご近所マーケティングの拡張モデルとも言える発想であり、まさに「拠点起点型」の象徴的な事例。
地元に届けるだけでなく、来た人を地元化する。この視点を持てば、ご近所マーケティングの可能性は全国、いや世界に広がります。
「立地は商売の神様」
それは観光地でも変わりません。
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