泉のマーケティング解説ブログ
2024.08.18
儲かる店の選定5か条 | (その2)賃料と売上の関係を解明【店舗出店】
その2: 賃料の坪単価と売上は比例しない
一般的には、「賃料が高い場所は良い場所であり、商売をすれば売れる」と言われます。
確かに、銀座などのブランド力のあるエリアではこの常識は通用します。
しかし、私が開店させた295店舗や全国約3,000店舗の検証結果からは、賃料が高いからといって売上が高いとは限らないことが分かりました。
賃料と売上の相関関係の検証
調査の結果、賃料が近隣相場より低くても売上が高い店舗が多々ある一方で、賃料が高くても売上が低い店舗も多く存在することが確認できました。
賃料と売上には明確な相関関係は見られませんでした。
唯一相関関係があったのは「賃料と人通り(人の通行量)」です。
駅前など人通りが多い場所は賃料が高い傾向がありますが、それが必ずしも高い売上を保証するわけではありません。
具体例:介護用品店の出店
例えば、後期高齢者向けの介護用品を扱うショップを、人通りの多い原宿の竹下通りに出店した場合を考えてみましょう。
竹下通りは若者が集まる人気のエリアであり、賃料が高いのは当然ですが、ここに介護用品店を出店しても売上が見込めるとは限りません。
賃料と粗利益の関係
賃料が高い場所に出店しても、粗利益から賃料を引いてしっかり利益が残るかどうかを考える必要があります。
ターゲット顧客がそのエリアに存在しない場合、高額な賃料を支払っても利益を確保することは難しいでしょう。
まとめ
「賃料が高い=売上が高い」という常識にとらわれず、事業コンセプトに合った立地選定を行うことが重要です。
人通りの多さだけでなく、ターゲット顧客の存在やその地域の特性を考慮し、適切な場所を選ぶことで、成功の確率が高まります。
次回は、儲かる店の選定5か条のその3について詳しく説明します。