泉のマーケティング解説ブログ

2025.05.12

顧客4分類法活用による出店事例(4.候補地(お店)の前を通る人への出店事例)

顧客4分類法のうち「前を通る人」を主たる顧客とした出店戦略を成功事例や失敗事例を用いて説明します。

成功事例

首都圏西部の私鉄沿線での出店

背  景
首都圏西部の私鉄沿線、乗降客数約10万人の駅まで400mの距離で賑やかな街道沿いの候補地。
問題発見
周辺の住宅や事業所の密度に比べ、候補地前の歩行者が少ないと感じた。
現地調査
担当者と共に朝の通勤通学時間帯に候補地前と周辺の顔の向きを調査。
発  見
駅へ向かう人は候補地の前でなく、裏の線路沿いの道を歩く人が多いことが判明。
競合店分析
線路沿いの競合店が高日販を維持していた理由が、通勤の顔の向きに乗っていたことだった。
対  策
車客の来店が見込めるか再調査し、駐車場を借り増して出店すべきと判断。
この事例から学ぶことは、通勤通学時間帯における歩行者の顔の向きを確認し、実際の歩行者数とその動線を把握することの重要性です。

失敗事例

自転車の質の重要性を認識した事例

背  景
都内中央線から北側2kmの生活道路沿いにある酒販店を業態転換。歩行者数も多く自信満々で出店。
問題発見
開店後、売上が予測に達せず不思議に思い、調査部門に報告。
再 調 査
店舗半径1km以内に3駅、2km以内に10駅あり。歩行者数の内、自転車比率が50%以上。
発  見
お店の前を通る自転車の多くが、駅目的の通過自転車だった。
対  策
背後住民をしっかり顧客として捉えるようにし、結果的に繁盛店に。
この事例から学ぶことは、歩行者数だけでなく、自転車の質(駅目的の通過自転車かどうか)を確認することの重要性です。

顧客4分類法による見極め方

候補地(お店)の前を歩く人

walking by convenience store
量の見極め方
歩行者数調査データ
実際に決められた時間を店前で実査し、候補地前を歩く人の数を把握します。(決められた時間、最大6つの時間帯で一回15分の計測を2回)
人通りの多いエリア
駅前、ショッピングモール、観光地など、人通りの多いエリアを確認します。

質の見極め方
年齢層
歩行者の年齢層を確認し、ターゲットとなる顧客層が多いかを評価します。
目的地
歩行者の目的地(通勤、買い物、観光など)を把握します。
時間帯別人通り(決められた時間、最大6つの時間帯で一回15分の計測を2回)人通りを確認し、ピークタイムを把握します。
自転車の
通行する自転車が駅目的の通過自転車かどうかを確認します。

まとめ

「候補地(お店)の前を通る人」をターゲットにした出店では、歩行者数だけでなく、歩行者や自転車の質(通過目的かどうか)を確認することが重要です。

成功事例から学び、失敗事例から教訓を得ることで、より確実な出店戦略を立てることができます。顧客4分類法を活用し、ターゲット顧客の特性を把握し、適切な立地選定を行いましょう。


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