泉のマーケティング解説ブログ

2025.06.03

ご近所マーケティングの新境地:沖縄ジャングリアを読み解く

2025年7月、沖縄に開業予定の新テーマパーク「ジャングリア」。このプロジェクトの総指揮をとるのは、あのUSJを復活させた森岡毅氏です。

私はこのプロジェクトの成功を信じて疑いません。
しかし、ここでは「ご近所マーケティング」の視点から、ジャングリアの戦略を紐解いてみたいと思います。

USJと「近隣×年間パス」モデル

usj osaka
USJで森岡氏が成功させたのは、地元大阪の“ご近所”を年間パスで巻き込む戦略でした。

「ちょっと寄れるUSJ」「何度も行けるリピーター体験」は、まさに都市型のご近所マーケティングです。

 ジャングリアは「地元密着」ではない

一方、ジャングリアは沖縄。地元民向けに「何度も来てね」というモデルにはなりません。
そもそも人口も通勤文化も異なります。

「観光者=一時的なご近所」戦略

むしろ注目すべきは「観光客を、来園の“ご近所”と見なす」発想です。

観光・ダイビング・旅行で訪れる人が、
  • 空き時間にもう一カ所
  • 子どものためにもう一泊
という“プラスオン”の選択肢としてジャングリアを訪れる。

この設計が、セブン‐イレブンの「既存店舗転換モデル」に似ているのです。

那覇から90分は“遠くない”

那覇から90分の距離も、「観光ついで」なら心理的なハードルは低くなります。
「目的地」ではなく「副目的」としての立地戦略。これはマーケティング上の大きなポイントです。

成功のカギは宿泊施設

このモデルを支えるのが、近隣宿泊施設のホスピタリティです。
  • 安心・清潔な部屋
  • アクセス案内と送迎体制
  • 家族連れ対応

これらが整って初めて、「もう一泊する理由」が成立します。


相乗効果のループへ

  • ジャングリアが目的で沖縄観光
  • 沖縄観光が目的でジャングリアも
この相互循環こそが、「拠点起点型ご近所マーケティング」の本質です。

まとめ

ジャングリアの戦略は、「近隣住民を呼び込む」USJモデルとは異なり、「観光者を一時的なご近所に見立てる」モデルです。

これは、ご近所マーケティングの拡張モデルとも言える発想であり、まさに「拠点起点型」の象徴的な事例。

地元に届けるだけでなく、来た人を地元化する。この視点を持てば、ご近所マーケティングの可能性は全国、いや世界に広がります。


「立地は商売の神様」
それは観光地でも変わりません。

カレンダー

«6月»
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30      

 

ブログ内検索