泉のマーケティング解説ブログ

2024年08月

2024.08.31

大切な最寄り商圏とは、どんな商圏?

最寄り商圏とは、店舗ビジネス企業が自社の店舗への来店が見込める住民のお客様の範囲を指します。
最寄り商圏を設定することで、ターゲットとなる顧客層を明確にし、効果的な店舗運営やマーケティング戦略を立てることができます。

業種業態ごとの最寄り商圏

各業種業態によって、最寄り商圏の設定は異なります。以下の表を参考にして、来店が見込める距離とその商圏内の人口を設定します。

コンビニエンスストアの例
  • 来店時間: 5分
  • 来店手段: 徒歩
  • 最寄り商圏: 半径350m
  • 基準人口: 3,500人以上

半径350mの商圏内に3,500人以上が住んでいれば、住んでいる人を主たる顧客としてお店が成り立つという基準です。
ただし、競合店の存在や商圏バリアの有無によって最寄り商圏の評価は変わります。

最寄り商圏の設定方法

あなたのお店や会社の店舗の最寄り商圏を設定する際には、以下のポイントを考慮します。
1.来店手段
駐車場・駐輪場を設置せずに出店する場合、来店手段は徒歩のみとなります。この場合、徒歩で来店するお客様の来店時間を考慮します。
2.来店時間
お客様がどれだけの来店時間を使ってお店に来てくれるかを設定します。来店時間は5分で設定が無難です。例えば、徒歩で350mの範囲を設定することです。
3.商圏内の人口
設定した商圏内にどれだけの人が住んでいるかを冷静に評価します。例えば、半径350m内に3,500人以上が住んでいるかを確認します。

商圏の具体例

例1:カフェ
  • 来店手段: 徒歩、自転車
  • 来店時間: 徒歩10分、自転車5分
  • 最寄り商圏: 半径500m
  • 基準人口: 5,000人以上
例2:美容室
  • 来店手段: 徒歩、自転車、車
  • 来店時間: 徒歩15分、自転車10分、車5分(駐車場必要)
  • 最寄り商圏: 半径1km
  • 基準人口: 8,000人以上

設定の重要性

最寄り商圏を設定することで、ターゲット顧客の範囲を明確にし、効果的なマーケティング戦略を展開できます。
設定した商圏内の人口や競合店の有無、商圏バリアの存在を冷静に評価し、現実的な数値で設定することが重要です。

まとめ

最寄り商圏の設定は、店舗ビジネスの成功に不可欠です。
来店手段、来店時間、商圏内の人口を考慮し、冷静かつ現実的な基準で設定することで、ターゲット顧客に効果的にアプローチできます。
一番大事なのはお客様の目線です。最寄り商圏をしっかりと設定し、店舗運営の基盤を固めましょう。

ここにエントリー本文を書きます。

2024.08.30

顧客4分類法のポイント

前回分類したポイントを復習します。①②の来店手段としての車・徒歩と③の車、④の人は別物です。ここで、意地悪な質問です。

4つの顧客分類のうち、
①最寄りに住んでいる人、
②最寄りに働いている人が来店手段として徒歩か車で来店するのと、
③前を通る車、
④前を歩く人
の違いが分かりますか?

この違いを理解できれば、顧客4分類法を正しく理解していることになります。
違いが分からない場合でもご安心ください。これから詳しく説明します。

顧客4分類法の心理的違い

あなた自身が顧客として、異なるシチュエーションでお店を利用する際の心理状況を考えてみましょう。
4種類の顧客来店手段 利用シチュエーション 心理状況
1.①最寄りに住んでいる人車または徒歩 家から最寄りのお店に買い物に行く場合 日常的な買い物。必要なものを選ぶ傾向
2.②最寄りに働いている人車または徒歩 職場から最寄りのお店に買い物に行く場合 仕事帰りや昼休みなどの時間制約がある買い物。効率的に必要なものを購入
3.③前を通る車 例えばゴルフに行く途中でインターからゴルフ場に向かう途中にお店に寄る場合 通りがかりの立ち寄り。目的地に急いでいるため、短時間で必要なものを購入
4.④前を歩く人徒歩 例えば映画を見るために駅から映画館のある繁華街に向かう途中でお店に寄る場合 目的地に向かう途中の立ち寄り。短時間で軽く何かを購入

購入行動の違い

この違いは、同じコンビニエンスストアを利用する場合でも、購入される商品や目的に違いが表れます。
4種類の顧客商品 目的 行動
①最寄りに住んでいる人、②最寄りに働いている人弁当、日用品 日常の必要品を揃えるために購入 必要なものをまとめて買う傾向が強い
③前を通る車、④前を歩く人おにぎり、サンドイッチ、飲み物 短時間で手軽に済ませるために購入 短時間で必要最低限のものを買う、あまり長居しない

まとめ

この違いを理解することで、顧客の心理状況や行動パターンに基づいて、適切な商品構成やサービスを提供することが可能になります。
つまり、立地商圏を捉える際には、単に「どこに出店するか」だけでなく、「どの顧客に向けて出店するか」を明確にすることが重要です。
顧客4分類法を活用することで、立地選定の精度を上げ、儲かる店舗運営に繋げることができます。

次回は、さらに具体的な事例を交えながら、この手法の効果を詳しく説明します。

ここにエントリー本文を書きます。

2024.08.29

新しい立地商圏の捉え型「顧客4分類法」

今回、最もお伝えしたいのは、弊社が考案した出店場所の選び方である「顧客4分類法」です。
この手法は、リアル店舗に来店するお客様を4つのカテゴリに分類し、それぞれの視点から立地商圏を考えることを可能にします。

顧客4分類法の概要

「顧客4分類法」の成功の鍵は、あなたのお店の主たる顧客がどの分類に属するかを明確にすることです。
この手法は非常にシンプルであり、立地商圏を捉える視点を整理しやすくなります。
この手法を理解すれば、主たる顧客にフォーカスし、その顧客の「量と質」や「店づくり」を深く学ぶことができます。
結果として、無駄のない出店場所選定や生産性の向上が期待できます。

顧客4分類法の分類

この手法では、お客様を以下の4つに分類します。
1.最寄りに住む住民(なじみ客)
近隣に住み、日常的に店舗を利用するお客様。
2.最寄りに働く就業者(なじみ客)
近隣で働き、仕事帰りや昼休みに店舗を利用するお客様。
3.前を通る車(通りすがり客)
通りがかりに立ち寄る一時的なお客様。
4.前を歩く人(通りすがり客)
駅や施設のそばを通る際に立ち寄るお客様。

顧客4分類法の利点

時間の短縮

全体の4分の1の手法を習得するだけで、時間を大幅に節約できます。
深掘りの可能性

同じ時間を使うなら、主たる顧客に対する理解を深めることができます。
適正賃料のお宝立地の発見

主たる顧客が多くいるエリアで売れる立地を集中的に探すことで、適正賃料の「お宝立地」を見つけることができます。

実際の事例

私は現場で多くの失敗と成功を経験し、この手法が確実に効果を発揮することを実証してきました。

顧客の足し算

店舗の売上は、この4つの顧客の足し算によって成り立ちます。
この基本的な理解を正確に持つことで、儲かる店の選定が可能となります。

4種類のお客様の違い

ここで意地悪な質問です。
4つの顧客のうち、
①最寄りに住んでいる人、
②最寄りに働く人が来店手段として徒歩か車で来店するのと、
③前を通る車、
④前を歩く人
の違いが分かりますか?この違いを理解することが、「顧客4分類法」を正しく理解するための第一歩です。

①②と③④の違い
①最寄りに住む住民
日常的に店舗を利用する可能性が高い、なじみ客。
②最寄りに働く就業者
仕事帰りや昼休みに利用する可能性が高い、なじみ客。
③前を通る車
通りがかりで利用することが多いが、一時的な来店に留まりやすい。
④前を歩く人
駅や施設近くを通りがかりに利用することが多い。
これらの違いを理解し、主たる顧客にフォーカスすることで、より効果的な立地選定が可能になります。

まとめ

「顧客4分類法」を用いることで、店舗ビジネスにおける顧客理解が深まり、効果的なマーケティング戦略を展開できます。
主たる顧客がどの分類に属するかを明確にし、その顧客が多くいるエリアで売れる立地を探すことで、儲かる店舗を選定することが可能です。

ここにエントリー本文を書きます。

2024.08.28

店舗開発のプロが使う「良い立地」と世間の人が使う「良い場所」との違い


世間一般で「良い場所」とされる場所は、見た目や人気度で判断されがちです。
確かに、人気のある場所は魅力的に映りますが、それが必ずしも「良い立地」であるとは限りません。

店舗開発のプロが重視する「良い立地」とは、単に見た目や人気度だけではなく、利益をしっかり出せる場所を指します。

人気のある場所の落とし穴


人気がある場所は、住居と同様に賃料が高い場合が多いです。

これは需要と供給のバランスによるものです。たとえ売上が高くても、賃料が高ければ経費も増加し、利益は少なくなります。

また、賃料が高いからといって、必ずしも売上が高くなる保証はありません。

利益を出すための計算式

店舗経営において重要なのは、利益をしっかり出せることです。
  • 利益の計算式は以下の通りです。
利益 = 粗利益(売上 ー 原価)ー 経費(人件費、賃料、減価償却費、その他)

賃料の比率と損益分岐点

世間一般では、商業店舗の賃料は売上対比で9%前後が適正とされています。しかし、売上が10%下がると損益分岐点に達し、利益がゼロになってしまうといわれています。

これは、以下の理由によります。
1.賃料の固定費
賃料は固定費であるため、売上が下がっても賃料は変わりません。そのため、売上に対する賃料の比率が高くなります。
2.売上の変動
コロナ禍などの影響で売上が下がると、損益分岐点を下回る店舗が増え、利益がなくなる店舗が続出しました。

適正な賃料の重要性

適正な賃料の場所に出店することの重要性が増しています。余力のある賃料設定が、経営の安定を図る鍵となります。

店舗開発のプロが重視するポイント

店舗開発のプロが「良い立地」を選定する際には、以下のポイントを重視します。
1.ターゲット顧客の存在
候補地周辺にターゲットとなる顧客層が存在するかどうか。
2.交通アクセス
交通の便が良く、顧客が来店しやすい場所であるかどうか。
3.競合状況
周辺に競合店舗がどの位置に何店あるか、競合との違いを打ち出せるか。
4.賃料の適正さ
賃料が売上に対して適正な比率であるかどうか。

まとめ

「良い場所」と「良い立地」は異なる概念です。
世間一般の見た目や人気度で判断するのではなく、利益をしっかり出せる場所を選定することが重要です。
適正な賃料設定とターゲット顧客の存在を重視し、長期的に安定した経営を目指しましょう。

次回は、具体的な事例と顧客4分類法のさらなる活用について詳しく説明します。

ここにエントリー本文を書きます。

2024.08.27

立地を知れば、口説きは100発100中 (その2)

応援団(社外協力業者)が思うように動かない

前回述べた伝え方がさらに効果的であると実感したのは、社外協力業者の店舗開発協力者(約150名)を戦力化した時の経験からです。

自社の店舗開発新人教育と同じ方法で戦力化できれば、物凄い成果が上がると考えていましたが、この方法は全く通用しませんでした。

誤ったアプローチ

店舗開発協力者はサポートの立場であり、店舗開発が本業ではありません。
私の思い込みは、大きな過ちでした。

立地や選定に興味がある少人数なら実現可能かもしれませんが、150名となると対象者の考えもそれぞれで、私の専門的な説明は理解されませんでした。

シンプル且つ具体的な説明


そこで、シンプルかつ具体的にやるべき行為を伝えることにしました。
顧客を4分類する切り口で説明すると、店舗開発協力者の皆さんの理解が一気に進み、サポート活動の質も上がり、大きな成果に結びつきました。

サポート行為に興味が湧き、主体性ある行動に変わったのです。

顧客4分類法の効果

前述の芦原さんと出会った時から、店舗立地選定方法を伝える際には、お店に来るお客様を4分類する切り口で説明することが重要だと確信しました。

これにより、初めての人にも分かりやすく、興味を持って次のステップに進んでもらえるようになりました。

具体的な顧客4分類法

1.常連客(リピーター)
お店を頻繁に利用するお客様。安定した収益をもたらし、口コミで新しい顧客を呼び込む役割も果たします。
2.一見客(初めてのお客様)
一度だけ来店するお客様。リピーターになってもらうための工夫が必要です。
3.潜在顧客(近隣に住むがまだ来店していないお客様)
店舗の存在を知らない、もしくは興味を持っていないお客様。広告やプロモーションで来店を促します。
4.離脱客(以前は来店していたが最近来店していないお客様)
再来店を促すための施策が必要です。アンケートやフォローアップで原因を探り、改善します。

シンプルな説明の効果

シンプルな説明を行うことで、相手が何をすれば良いかを具体的に理解しやすくなります。専門用語や複雑な概念を避け、具体的な行動を伝えることが重要です。
これにより、相手は行動に移しやすくなり、結果として大きな成果を上げることができます。

まとめ

店舗開発協力者に対しても、シンプルかつ具体的な説明が効果的です。
顧客を4分類する切り口で説明することで、初めての人にも分かりやすく、興味を持ってもらうことができます。
相手の立場に立ち、理解しやすい言葉や具体例を用いて説明することで、サポート活動の質を向上させることができます。
次回は、具体的な事例と顧客4分類法のさらなる活用について詳しく説明します。

ここにエントリー本文を書きます。

2024.08.26

立地を知れば、口説きは100発100中 (その1)

伝わらないのは無いのと一緒

店舗の出店希望者や貸主様に対して、商圏分析や立地評価の説明をしてきた経験があります。
しかし、初期の頃は一生懸命説明しているのに、欠伸をする人や居眠りをする人が出てきました。
この現象に対して当初は憤慨していましたが、途中から「説明が伝わっていないからだ」と気付きました。
そこで、もっと誰にでも分かる説明の仕方を模索するようになりました。

商圏分析を4つの顧客に分ける

そこで見つけた解決策は、商圏の分析を4つのお客様に分け、その視点から場所の評価をするという簡単な説明に切り替えることでした。
具体的な事例を使い補足説明することで、最後までしっかり聞いてもらえるようになりました。

伝わらないのは無いのと一緒
店舗の出店希望者や貸主様に対して、商圏分析や立地評価の説明をしてきた経験があります。
しかし、初期の頃は一生懸命説明しているのに、欠伸をする人や居眠りをする人が出てきました。
この現象に対して当初は憤慨していましたが、途中から「説明が伝わっていないからだ」と気付きました。
そこで、もっと誰にでも分かる説明の仕方を模索するようになりました。


商圏分析を4つの顧客に分ける
そこで見つけた解決策は、商圏の分析を4つのお客様に分け、その視点から場所の評価をするという簡単な説明に切り替えることでした。
具体的な事例を使い補足説明することで、最後までしっかり聞いてもらえるようになりました。

具体例を使った説明

説明が終わると、以下のような反応を得られるようになりました。
経営希望者
  
出店する場所の特性が良く分かりました。特性を活かして店舗運営に取り組みます
貸主様
良く調べてくれた。これならおたくの会社にお願いすれば安心だね
このような肯定的な反応を得られるようになったのは、説明を簡単にしただけでしたが、効果は抜群でした。

説明の工夫

独立後に気付いたのは、予備知識がなく知らないこと(商圏分析、立地の見方)をいきなり専門用語で説明されても理解できないのが当たり前であり、そういった説明は相手にとって苦痛でしかないということです。
相手の立場に立ち、聞き手をしっかり理解することで、相手が分かる言葉や表現で説明すれば、同じ内容の話が苦痛から自信や安心を得る時間に変わることに気付きました。
やはり、伝わらないのは無いのと一緒です。

まとめ

相手に情報を伝える際には、相手の立場や理解度を考慮し、分かりやすい言葉や具体的な事例を用いることが重要です。これにより、説明が効果的に伝わり、相手に自信や安心感を与えることができます。
次回は、具体的な事例と顧客4分類法の活用についてさらに詳しく説明します。


2024.08.25

顧客4分類法とは

顧客4分類法は、お店に来店するすべてのお客さまを4種類に分類する方法です。
これは、店舗ビジネスを行う際に、立地選定やマーケティング戦略を効果的に進めるための基礎となる考え方です。

《  質 問  》

あなたのお店に来店するお客さまは、たった4種類に分類できます。いきなりですが、以下のA~Dの4種類のお客さまはどんなお客さまだと思いますか?

AからDの4種類のお客さま
・A
・B
・C
・D
どのようなお客さまだと答えられるでしょうか? 若い人、お年寄り、ファミリー客、働く人、カップル、独身男性、学生など様々な回答が考えられます。
あなたの回答は全て正解です

でも、頭に浮かんだ答えは4種類で終わりましたか? 多数の中から4種類を選んで答えている場合、4種類に終わらないことが多いですね。

顧客4分類法の新しい考え方

この新しい考え方を用いることで、あなたの事業にあった店舗の出店場所に精通しやすくなります。
これから、顧客4分類法を簡単に最速で身につける考え方をお伝えします。

立地商圏のロジック

書籍『立地は商売の神様Ⅰ&Ⅱ』さかのうえ陽一氏の「立地商圏のロジック」から、必要な部分を抜き出し、分かりやすく解説します。
より詳しく学びたい方や、小型路面商業店舗の立地選定を生業にする方は、書籍にて第2部の「立地商圏のロジック」をしっかり習得してください。

顧客4分類法の具体的な分類

顧客4分類法は、以下のように分類できます。
1.常連客(リピーター)
あなたのお店を頻繁に利用するお客さま。安定した収益をもたらし、口コミで新しい顧客を呼び込む役割も果たします。
2.一見客(初めてのお客さま)
一度だけ来店するお客さま。リピーターになってもらうための工夫が必要です。
3.潜在顧客(近隣に住むがまだ来店していないお客さま)
店舗の存在を知らない、もしくは興味を持っていないお客さま。広告やプロモーションで来店を促します。
4.離脱客(以前は来店していたが最近来店していないお客さま)
再来店を促すための施策が必要です。アンケートやフォローアップで原因を探り、改善します。

顧客4分類法の活用

この4分類法を用いることで、以下のような効果が期待できます。
ターゲットマーケティング

各顧客層に対して適切なマーケティング戦略を立てることができます。
効果的なプロモーション

新規顧客を呼び込み、リピーターを増やすための具体的な施策を打ち出せます。
顧客満足度の向上

離脱客の原因を探り、改善することで、顧客満足度を向上させることができます

まとめ

顧客4分類法を用いることで、あなたの店舗ビジネスにおける顧客の理解が深まり、より効果的なマーケティング戦略を展開することができます。
立地選定の際にも、この分類を意識することで、より適切な場所を選ぶことができるでしょう。

2024.08.24

街の不動産屋さんを応援団にする方法(その2)

商業店舗仲介市場はブルーオーシャンの可能性を秘めています。
ニッチな市場ですが、客観的な立地選定方法を習得すれば、店舗仲介業務で差別化でき、競争の少ない市場で勝負できると確信しています。
ただし、店舗仲介を行う人の主な役割は、空いた店舗にテナントを付けることです。
このビジネス構造上、場所が売れるか売れないかの判断よりも、店舗を埋めることに重点が置かれます。
私自身も独立直後にこの手法を信じ、新人営業マン対象に教育しましたが、うまく定着しませんでした。

そこで、街の不動産屋さんを応援団にするための具体的な方法を以下にまとめます。

場所選定の責任所在は誰にある?

不動産屋さんが紹介した物件の中から、借りるかどうかを決めるのはあなたの権利です。当然、その結果の責任はあなたにあります。
じっくりと決断することが大切です。

街の不動産屋さんを応援団にするための具体的な方法

1.事業コンセプトに合った出店場所を選定できるようになる
  • 最も重要なポイントは、あなた自身が事業コンセプトに合った出店場所を選定できるようになることです。それが応援団のサポートを受けて出店場所を確保する最短の方法です。
  • 具体的に「あの土地、この建物」と指定してお願いしましょう。不動産屋さんは特定の場所が決まっていれば、その場所の賃主等の情報収集や交渉が得意分野です。「良い場所を紹介してください」という依頼では動きにくいのです。
2.具体的な依頼をする
例えば、阪神時代の野村監督と星野監督の違いを参考にすると、星野監督は具体的な選手名を挙げて依頼したことで、フロントが動きやすくなり、結果として成功を収めました。あなたも出店したい場所を具体的に伝えることで、不動産屋さんが動きやすくなります。
3.応援団を動きやすくするのはあなたの役目
出店場所の選定においても同様に、応援団(不動産屋さん)を動きやすくするのはあなたの役目です。具体的であればあるほど、応援団が確実に動けて、結果が出やすくなります。
4.「誰に」「何を」を具体的に明確にする
あなたの事業コンセプトである「誰に」「何を」を具体的に明確にしましょう。これが明確になれば、「どこで」は自然と明確になり、不動産屋さんも喜んであなたを応援してくれます。

不動産屋さんを応援団にするための事例紹介

阪神時代の野村監督と星野監督の違い

野村監督時代は最下位でしたが、星野監督が引き継ぎ優勝を果たしました。
現場をサポートするフロントサイドから見ると、星野監督の方が具体的で明確な指示を出し、フロントが動きやすかったのです。

あなたも同様に、具体的な場所を指示することで、不動産屋さんが動きやすくなります。

まとめ

出店場所を選定する際には、あなたの事業コンセプトに合った場所を具体的に指定して不動産屋さんに依頼することが重要です。
これにより、不動産屋さんが動きやすくなり、結果として良い場所を確保しやすくなります。
また、あなたの事業コンセプトである「誰に」「何を」を明確にすることで、応援団が確実に動ける環境を整えましょう。


2024.08.23

街の不動産屋さんを応援団にする方法(その1)

ここでは、街の不動産屋さんを効果的に活動いただく為の方法を考えましょう。
まず、以下の3つの質問をします。
《あなたへの質問》

  1. あなたは、店舗出店場所を見つける時、場所の紹介を街の不動産屋さんにお願いしていますか?
  2. あなたは、街の不動産屋さんに相談すれば自分の要望にあった場所を見つけてくれると思いますか?
  3. 運が良く優秀な不動産屋さんにあたり、良い場所を紹介してもらえた人は羨ましいと思いますか?

《一つでも「はい」と答えた方へ》

私の経験から申し上げますが、街の不動産屋さんは商業店舗物件を得意としていません。
あなたが期待するような店舗物件を紹介してくれる不動産屋さんは、ほとんどいないというのが現実です。
なぜ街の不動産屋さんは店舗物件を積極的に扱わないのでしょうか?

街の不動産屋さんが店舗物件の扱いが得意でない理由

1.住居仲介がメインの営業

多くの街の不動産屋さんの取扱い物件の大部分は住居の仲介です。これまで住居仲介がメインの営業で商売が成り立っており、特に力を入れる必要がないためです。

2.賃貸市場の規模

賃貸市場では、住居≧事務所≧商業店舗の順でマーケットボリュームが決まっています。店舗は一番マーケットボリュームが小さいため、積極的に扱わないのです。

3.管理の繁雑さ

商業店舗は、業種業態によって建物仕様の条件が異なり、管理と把握が非常に繁雑です。例えば、必要な間口、入り口とアプローチの段差、店内の天井高・柱位置、水道容量や給排水設備の規模・配置、電気容量(動力等)、ガス容量、換気状況(ダクト等)など、確認する項目が住居に比べて非常に多いのです。
以上の理由から、街の不動産屋さんは住居仲介に力を入れることが多く、店舗物件を積極的に扱う必要がないのです。

不動産屋さんとの良好な関係を築く方法

不動産屋さんをあなたの応援団にするためには、以下の点に注意してアプローチしてみましょう:
1.事業の具体的な説明
あなたのビジネスの具体的な内容、提供する商品やサービス、ターゲット顧客について詳しく説明しましょう。これにより、不動産屋さんも具体的な物件を紹介しやすくなります。
2.信頼関係の構築
定期的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが重要です。信頼されることで、不動産屋さんもあなたのために良い物件を探してくれるようになります。
3.市場の理解
賃貸市場の動向や、特に店舗物件の取り扱いについて理解を深め、不動産屋さんとの会話で適切な質問をすることが重要です。
4.継続的なフォローアップ
一度相談しただけで終わらず、定期的に状況を確認し、フォローアップすることで、不動産屋さんの関心を引き続けることができます。

まとめ

街の不動産屋さんは、商業店舗物件を得意としないことが多いですが、適切なアプローチとコミュニケーションを通じて、あなたの応援団になってもらうことは可能です。
あなたのビジネスの具体的な説明と信頼関係の構築を心掛け、不動産屋さんと良好な関係を築いてください。

2024.08.22

事業説明が重要な鍵

物件を確保する際、賃貸借契約の締結は重要なステップです。
しかし、賃貸借期間中に店舗を安心安全に使用するために最も大切なことは、貸主とのコミュニケーションです。
貸主との良好な関係を築くためには、あなたの事業理念(思い)を共有し、貸主の土地への思いも共有することが必要です。

貸主とのコミュニケーションの重要性

新人時代には、貸主との初回面談で会社案内を使って事業説明を徹底するように教育されました。
当初は、経済条件の提示が重要だと考えていましたが、実際には事業説明が極めて重要です。これにはいくつかの理由があります。
1.相互理解の促進:
貸主にあなたの企業理念や経営理念を理解してもらうことで、信頼関係を築くことができます。これは、賃貸借期間中のコミュニケーションを円滑にするために不可欠です。
2.長期的な協力関係:
貸主も自身の土地に対する思いがあります。これを共有することで、双方が協力して店舗を成功させる運命共同体になることができます。
3.契約後の対応の柔軟性:
事業説明を通じて貸主と信頼関係を築いておくと、後々の変更依頼やトラブル解決がスムーズになります。

具体例と実践の重要性

大規模な不動産会社(例:三菱地所、三井不動産)を除けば、貸主が借主を、家賃を支払うだけの存在として捉えている場合、開店後の変更事項への対応が難しくなります。
例えば、内外装の変更や追加装置の設置などです。こうした状況を避けるためにも、初回面談での事業説明は欠かせません。

事業説明の実施方法

1.初回面談での事業説明:

初回の貸主面談では、必ず会社案内を使って事業説明を行います。経済条件の提示前に、あなたの企業理念や事業の目的をしっかり伝えます。

2.経済条件提示のタイミング:

経済条件を提示する前に事業説明を行うことで、貸主にあなたの思いを理解してもらい、共感を得やすくなります。

3.貸主の選定:

事業説明を聞いてくれる貸主を選びましょう。説明を望まない貸主は、長期的な協力関係を築くのが難しい場合があります。

個人事業主としての信用構築

特に社会的信用がまだない個人事業主にとって、事業説明は信用を築く唯一の手段です。
創業支援セミナーなどで学んだように、事業の提供内容を明確にすることは、場所を確保する際にも非常に重要です。

不動産業者との関係構築

店舗仲介の不動産業者を応援団にするためには、提供したい顧客像を詳しく伝え、事業説明を行うことが重要です。

優れた業者は、あなたの商品・サービスの特徴と、それを提供したい顧客について具体的に尋ねてくるでしょう。

まとめ

物件を確保する際の成功の鍵は、貸主との初回面談での事業説明にあります。
これにより、貸主との信頼関係を築き、長期的な協力関係を形成することができます。
また、個人事業主としての信用構築や、不動産業者との良好な関係も確立できます。あなたの事業が成功するために、このプロセスを大切にしてください。

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